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シーベリイ・クイン「悪魔の花嫁」

20070108195529[1] 悪魔の花嫁 
 シーベリイ・クイン
 創元推理文庫






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ホラー小説には数多くの心霊探偵ものがありますが、本書はウィアード・テイルズを代表する寄稿家の一人、
シーベリイ・クインによる、ジュール・ド・グランダンものの、唯一の長編作品です。
何でもこのジュール・ド・グランダンものは、全部で93編も書かれたとか。ものすごい数です。

著者及びこのシリーズについては、巻末に訳者でもある大瀧啓裕による、非常に詳細な解説がありまして、
私如きが新たに付け加える事柄など何もないのですが、私見を以下に軽く述べておきます。

巻末にも述べられている通り、このクインという人の一番の特徴は、明朗さと快活な語り口にあると思います。
ウィアード・テイルズに全部で150編以上もの作品を寄稿した、筋金入りのパルプライターだけあって、
プロットの堅牢さ、次々と凝らされる趣向や展開の速さなど、鍛え抜かれた職業作家特有の地力を感じます。

実際、この小説は序盤から実に展開が早く、章毎に必ず何かしら事件が起き、退屈している暇がありません。
作中の人物もおちおち寝ていられないほど、捜査に奔走する羽目になります。
この小説は事件の捜査をするか、休憩に食事を取るかの、いずれかしかほぼ描かれていないといってよく、
食事する度に、事件の報告が来て食事が中断…という辺りが面白かったです。

また、このシリーズは、作中で必ず真相が明らかにされる論理性に大きな特徴がありますが、
その割には、このグランダンという人は、いちいち挙動が芝居がかっているのが何とも微笑ましい限りです。
よく、「神を欺けても、このジュール・ド・グランダンの目だけは欺けないぞ」みたいなことを口にしますが、
実はこれ、けっこう独り言であることが多いのです。
人目も憚らず感情の赴くままに、こういう挙動を取ることから、この人は熱しやすい激情家なのだということが、
説明をしなくても読者に伝わってきます。

登場人物の人間臭さと、鍛え抜かれた展開の早さで、ホラー以前に一つの娯楽小説として愉しめました。
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Author:WORLD BEANS
ホラー小説専門同人誌、
「DAMMED THING」告知用ブログです。
活動状況はほぼ更新せず、大半は読んだホラー小説のことを、ぶつくさ書いてます。
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