「六人目」
Twitter300字ssという公募用の掌編です。
ツイッターをされていない方は、「何のこと?」と思われるかも知れませんので、下記に主催アカウントの紹介文を孫引きします。
Twitter300字ssとは、月に一度最終土曜日に発表されるお題で、一週間掛けて300字の小説を書き、公開して交流や宣伝に役立てようという企画です。
第39回お題 「試す」
題名 「六人目」
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石場瞳が車に跳ねられた瞬間をビルの非常階段から双眼鏡で目撃した私はすっかり落胆した。採取した彼女の使用済みナプキンで頭を覆った鼠の四肢を生きながら切断したのに、あの程度では大腿骨骨折がせいぜいだろう。自室に戻った私は迷った挙句、猫の眼球を用いることにした。彼女が路上に捨てた唾液混じりのガムで包んだ眼球を鉄釘で貫き、三十分の一に縮尺した彼女の生家の模型が入った水槽に沈めた。蛇剋水系の呪術を活用したこの行が上手くいけば、彼女の両目は膿と蛆が湧いて腐り落ちるはずだった。
私が石場瞳を六人目の呪殺対象に選んだのに特に理由はなく、たまたま近所ですれ違った時に目に留まったからというだけのことだった。
ツイッターをされていない方は、「何のこと?」と思われるかも知れませんので、下記に主催アカウントの紹介文を孫引きします。
Twitter300字ssとは、月に一度最終土曜日に発表されるお題で、一週間掛けて300字の小説を書き、公開して交流や宣伝に役立てようという企画です。
第39回お題 「試す」
題名 「六人目」
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石場瞳が車に跳ねられた瞬間をビルの非常階段から双眼鏡で目撃した私はすっかり落胆した。採取した彼女の使用済みナプキンで頭を覆った鼠の四肢を生きながら切断したのに、あの程度では大腿骨骨折がせいぜいだろう。自室に戻った私は迷った挙句、猫の眼球を用いることにした。彼女が路上に捨てた唾液混じりのガムで包んだ眼球を鉄釘で貫き、三十分の一に縮尺した彼女の生家の模型が入った水槽に沈めた。蛇剋水系の呪術を活用したこの行が上手くいけば、彼女の両目は膿と蛆が湧いて腐り落ちるはずだった。
私が石場瞳を六人目の呪殺対象に選んだのに特に理由はなく、たまたま近所ですれ違った時に目に留まったからというだけのことだった。
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